私の考え方について:仕事は経営企画ですが、金融商品の専門家として書いているわけではありません。家にも投資にもお金を使いたい私が、どう両立させるかを考えた記事です。特定の商品の購入を勧めるものではありません。

投資の前に、「使う時期」でお金を分ける

金融庁は、資産形成を考える土台として、家計管理とライフプランニングを挙げています。また、貯蓄と投資は、今後の予定や資産状況に応じて使い分けることが大切だと案内しています。

家づくりに置き換えると、頭金や諸費用まで値動きのある商品へ入れるのではなく、まず「いつ必要になるか」で置き場所を分けることになります。

お金の役割使う場面私はこう分ける
近いうちに使う住宅資金土地・建物の契約、諸費用、外構、引っ越し必要な時期に金額が減っていないことを優先し、預貯金として分ける
もしもの備え病気、休職、収入減、想定外の出費すぐ使えることを優先し、住宅資金とも投資資金とも別にする
家を守るお金固定資産税、保険、設備交換、大規模修繕毎年の支出と将来のまとまった支出に分け、先に積み立てる
長い将来のためのお金少なくとも15年以上、使う予定のないお金値下がりを受け入れられる範囲で、NISAを含む長期・積立・分散を検討する

これは万人共通の金額表ではありません。J-FLECも、金融商品には安全性・流動性・収益性のすべてを同時に満たすものはなく、目的に応じて優先順位を決めることが重要だと説明しています。

NISAは、住宅予算を増やす魔法ではない

NISAは、対象となる投資から得た利益が非課税になる制度です。ただし、預金のように元本が保証される制度ではありません。NISA口座で保有していても、投資した商品の価格が下がることはあります。

そのため私は、「運用益が出る前提で住宅予算を増やす」のではなく、運用が0%でも家計が続くかを先に見ます。そのうえで、長く使わないお金だけを積立へ回す順番にします。

迷ったときの基準:家の契約直前に相場が下がっても、そのお金を売らずに済むか。答えが「いいえ」なら、少なくともその部分は長期投資のお金と分けておきます。

私の基本方針は、かなりシンプル

近く使う住宅資金、もしもの備え、税金や修繕などを先に取り分ける。その残りを「余剰資金」と呼べるなら、私はそのほとんどを、低コストで広く分散された株式インデックス投信へ回す考えです。

中心に考えているのは、全世界株式(いわゆるオルカン)とS&P500に連動する投資信託です。あれこれ将来の勝ち組を当てようとするより、仕組みが分かりやすく、長く持ち続けやすいものを選びたいからです。

オルカンとS&P500を両方持つ意味:オルカンにも米国株は含まれています。両方に積み立てることは、まったく別の2資産へ分散するというより、全世界株式を土台に米国の比重を上げる選択です。配分の意図を理解したうえで決めます。

株式中心の積立をおすすめしない条件

  • 住宅、教育、納税などで近いうちに必要になる金額が決まっている
  • 少なくとも15年以上、売らずに運用できる見通しがない
  • 収支が赤字で、生活の不足分を投資資産から取り崩す可能性がある
  • 大きく値下がりしたとき、生活に影響がなくても売ってしまいそう
  • 商品の仕組み、費用、値下がりする理由を理解しないまま買おうとしている

「15年」は私が長く使わないお金を分けるための目安で、これだけ待てば利益が出る、という年数ではありません。長く持てば必ず増えるとは言えないため、期間だけでなく、途中で売らなくて済む家計を作ることを重視します。

資産が育ったら、10〜20%を守りの資産へ

資産形成の初期は、毎月の入金が資産全体に与える影響が大きいため、株式中心で成長を取りにいく。一方、資産が大きくなり、値下がり額そのものが家計や気持ちへ与える影響が増えてきたら、金や債券などを合計10〜20%ほど持つことを検討する。これが私の今の考えです。

10〜20%は万人共通の正解ではなく、目標時期、収入の安定性、住宅ローン、手元資金によって変わります。また、金や債券も値下がりすることがあり、株式といつも反対に動くわけではありません。期待リターンを上げるためというより、大きな下落時にも計画を続けるための役割として考えます。

リバランスは、相場予想ではなく割合を戻す作業

  1. たとえば「株式85%、金・債券15%」のように、自分の基準配分を先に決める
  2. 年1回など一定の時期に確認し、日々の値動きでは触らない
  3. 株式が下がって割合が小さくなったら、まず新しい積立資金を株式へ多めに回す
  4. それでも差が大きい場合に、税金や売買費用を確認して売却を含む調整を考える

結果として値下がりした株式を買い増す形になりますが、目的は底値を当てることではありません。決めたリスク量を保ち、感情で売買しないための仕組みです。

住宅ローンの返済と投資は、利回りだけで比べない

「住宅ローン金利より投資利回りが高そうだから、繰上返済をせず投資する」という考え方は、数字だけを見ると分かりやすく感じます。ただし、ローン金利は返済条件として決まる一方、投資の収益は確定していません。

見るところ繰上返済積立投資
結果の確実性将来支払う利息を減らす効果を計算しやすい増えることも減ることもあり、将来の結果は確定しない
使いやすさ返したお金を生活費へ戻すことは難しい売却はできるが、必要な時に値下がりしている可能性がある
家計への影響返済期間や毎月返済額を減らせる場合がある積立額を調整しやすい一方、値動きを受け入れる必要がある
確認事項手数料、住宅ローン控除への影響、手元資金手数料、商品内容、リスク、運用できる期間

返済か投資か、どちらかひとつに決めなくても大丈夫です。現金を残して少しずつ積み立てる方法もありますし、金利や家計が変わったら見直すこともできます。

私は、この順番で決める

  1. 住まいの総額を見積もる:土地・建物だけでなく、外構、諸費用、入居後費用まで入れる
  2. 手元に残すお金を先に決める:もしもの備えと、近い将来に使うお金を分ける
  3. 家を守る積立を入れる:税金、保険、設備交換、大規模修繕を住宅ローンとは別に見込む
  4. 慎重なケースでも確認する:運用0%、収入減、金利上昇など、不利な前提をひとつずつ試す
  5. 残った余力で長期積立を考える:金額を先に決め、その後にNISA口座や金融機関を比べる

まず、自分たちの数字に置き換える

住宅ローン、住まいの維持費、大規模修繕、毎月の積立を同じ画面で試せます。退職後までの推移をグラフで確認でき、入力内容は保存・送信しません。

家と資産形成をまとめて試算する

自分たちだけで悩むなら、相談する方法も

住宅、保険、投資を同時に考えると、数字を並べるだけでも大変です。そんなときは専門家へ相談する選択肢もあります。ただし、無料相談の中には、金融商品や保険の紹介・販売によって運営されるサービスもあります。

相談すること自体を避けるのではなく、「誰が費用を負担しているか」「どの商品を扱えるか」「相談だけで終えてよいか」を申込前に確認します。提案を受けても、その場で契約せず、持ち帰って公的情報や別の選択肢と比べます。

相談が役立ちやすい場面:住宅購入後の年間収支が赤字になる、退職後もローンが長く残る、教育費など大きな支出が同じ時期に重なる、夫婦だけでは前提を決められない——というときです。まず自分たちの試算を持参すると、質問が具体的になります。

証券会社を比べるのは、その次

いくら、どれくらいの期間積み立てるかが見えてきたら、口座選びへ。ポイントも気になりますが、私ならまず、続けやすさをこのあたりで比べます。

  • 積み立てたい商品を扱っているか
  • 購入時・保有中・売却時にかかる費用は何か
  • 毎月の自動積立と金額変更がしやすいか
  • 二段階認証などのセキュリティ設定が分かりやすいか
  • 困ったときの問い合わせ方法が自分に合うか

オルカンとS&P500は、どちらが必ず勝つかではなく、世界全体へ任せるか、米国の比重を自分で高めるかの違いとして整理すると選びやすくなります。

オルカンとS&P500の違いを、重なりから整理する →

確認した公的情報

制度、税制、金利、各商品の条件は変わります。口座開設や投資判断の前に必ず最新の公式情報を確認し、必要に応じて専門家へご相談ください。